【取材日記】こだわりの料理道具が揃う合羽橋「釜浅商店」本店が新装グランドオープン

浅草・合羽橋「釜浅商店」の創業は明治 41 年(1908 年)。「良い道具には良い理(ことわり)がある」を理念とし、日本各地の職人の元を訪れ、本当に良い「良理道具」だけを厳選して取り扱っている。2018年にはパリに直営店を出店。さらにサンフランシスコの〈Playmountain EAST〉内にインショップも展開する、元気な老舗だ。
その「釜浅商店」が合羽橋に2棟並びで建つ本店ビルを改装し、日本最大級の庖丁売場が 2020 年 8 月7日にオープン。8 月 5 日に開催されたオンラインプレス発表に参加した。

日本最大級の庖丁売場が入るビルは新築建替え

注目の庖丁売場には洋庖丁、和庖丁、中華庖丁など
約60種類1000丁以上の庖丁が並ぶ。




庖丁売り場が入るビルは今回建替え新築されたもので、デザインはブランドカラーの黑で統一。シンプルで落ち着いた印象の空間となっている。1階には和庖丁、洋庖丁の他にも砥石など約1000アイテム。2階には中華庖丁や麺切り庖丁など、主にプロ向けのアイテムが並ぶ。庖丁の種類やどの庖丁を選べばいいかなどがわかりやすく表示された案内板があるので初心者にもわかりやすい。

店内に並ぶ大きなテーブルは、天板がまな板で作ってあり実際に刃当たりを試すことができる。
また、4 階にはキッチンを備えたイベントスペースがあり、ポップアップレストランやワークショップなど今後開催予定とのこと。

別棟の料理道具売場も同時にリニューアルオープン

道を挟んで建つ、もう一棟の本店ビルの1・2階の料理道具売場も併せてリニューアルオープン。
こちらは釜をモチーフにした什器に、鍋などの調理器具が見やすく置かれている。従来の問屋のイメージとは異なる、スッキリとしたギャラリーのような空間だ。

料理好きなら見逃せない「良理道具」の数々

コロナ禍のため家で料理をする機会が増えた人は多いと思うが、そんな方におすすめなのが「釜浅のごはん釜」。
昔話に出てきそうな木の蓋のかまどのお釜。独特の形状がかまどに近い熱効率を生み、木蓋が余分な水分を吸収することでより美味しくご飯が炊けるそうだ。

また、炊き上がったら「釜浅のタガのないおひつ」に入れると、粗熱が取れ、余分な水分を吸い取ってくれるので⻑時間美味しいご飯をいただける。
通常のおひつと異なり、ステンレスのタガが内側に埋め込まれているのでズレたり外れたりすることもなく⻑く使えそうだ。
他にも約 400 度の耐熱性がある「釜浅のデニムミトン」や、“一緒に成⻑する庖丁”がコンセプトの「釜浅こども庖丁」など、老舗のこだわりが感じられる商品が揃っている。

今回のオンラインプレスで印象に残ったのは、建て替え新築されたビルの内装のそこかしこや調理道具売り場の什器に、ふんだんに「異形鉄筋」が使われていたことだ。
異形鉄筋というのは、建物の構造用材料のひとつで、鋼を圧延して表面に「リブ」や「節」と呼ばれる凹凸の突起を設けた棒状の鋼材のこと。この異形鉄筋をうまく張り巡らせて作ったスペースをストック置き場に使ったり、柵にしたり、おしゃれで機能的な作りになっている。
鉄筋コンクリートの骨組みに使われる鋼材を、あえて内装に使うという目のつけどころにセンスの良さを感じた。

今回の取材はオンラインだったので、残念ながら商品を一点一点拝見することはできなかったが、落ち着いた時期にゆっくりと庖丁選びに行ってみたいものだと思った。
記事を読んでくださっている皆様も、おうち時間をより充実させてくれそうな調理道具を探しに行ってみてはいかがだろうか。その際にはぜひ「異形鉄筋」で作られた内装や什器にも注目してみてほしい。

●取材協力/釜浅商店
http://www.kama-asa.co.jp/

(取材・原稿/Goodnews豊田敬子)